ゲッティ美術館は、ヨーロッパの巨匠たちの絵画、歴史的な彩飾写本、豪華な屋外彫刻庭園など、比類なき芸術作品を所蔵する世界的な美術館です。そのゲッティ美術館との独占コラボレーションをご紹介します。
このコレクションは、ゲッティ美術館の最も人気のある宝物への特別な招待状と言えます。私たちのコラボレーションは、2022年春にヴィンセント・ファン・ゴッホの象徴的な作品「アイリス」のリリースと共にスタートしました。
ゲッティはトップクラスの国際的芸術団体であり、芸術を通して、人同士のつながりや人知を高めるために尽力しています。
「ペーパーブランクスとゲッティの提携関係は、優れた芸術作品や匠の技を人々に学んでもらうという共通の目的のために生まれ、高い品質基準で志を一つにしています」―アディーナ・コスティアック(ペーパーブランクス、グラフィック開発マネージャー)
そのような由緒ある機関との提携は、お互いの情熱を一つにするこの上ない機会であり、個人の表現や共通する文化的体験を通して、意味のあるつながりを生む大きなきっかけといえるでしょう。
ペーパーブランクスとゲッティは、長きにわたり、楽しくて有意義な関係を保ち、ゲッティ美術館内のお店では、何年も前からペーパーブランクスの商品を扱ってもらっています。
2018年、このつながりをさらに前進させる道を求めて、ゲッティと意見交換を始めました。それが次なるステップとして、ゲッティ美術館が所蔵する作品を用いたペーパーブランクスの特別なコレクションの誕生へと自然とつながっていったように思います。結局、美術館の来訪者がたった今目の前で見たばかりの作品を、特別なノートやトートバックとして自宅に持ち帰ることよりもいいことがあるでしょうか?
2018年に行った最初の意見交換の後、共に美術館のコレクションを見て回り、コラボレーション作品の具体的な作業に着手し、試作品の制作を始めました。
ゲッティ美術館が所蔵するコレクションはあまりに幅広く、歴史的に意味のあるものばかりのため、実のところ、どこから始めればいいのか決めるのが難しかったのですが、ひとつはっきりしていたのは、世界の人々がひと目でそれだとわかる作品を商品化したいということでした。
ゲッティ研究所のスペシャルコレクションのアーカイブ資料を見ている学者。Courtesy J. Paul Getty Trust
オランダ人のヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(1853-1890)は後期印象派を代表する偉大な画家の一人で、作品『アイリス』はゲッティ美術館が保有する作品の中でも極めて重要な一作です。渦を巻いたような筆遣い、輪郭の強調、非常に強い色遣いによって精神的な高揚感がみなぎる本作品は、現代絵画の発展に強烈な影響を与えました。
「提携作品のヴァン・ゴッホ作『アイリス』のコレクションを発表するにあたり、”ゲッティと共に働いている”担当チームは、非常に働きがいのある、実践的で、協力的な体験をしています。オリジナル作品に込められた画家の品位や意図を高く評価する価値観の共有によって実現したこの提携により、ノートからパズル、しおり、トートバッグに至るまでデザインを開発して幅広い商品展開が可能になりました。私たちはこの結果を誇りに思いますし、ゲッティとの次なる提携作品の発表を楽しみにしています」―フェイ・マレット(ペーパーブランクス、マーケティングディレクター)
私たちは、個人的な表現と共有された文化的な体験を通じて、人々と意義深いつながりを作り出す情熱を共有しています。そのため、2023年春にはゲッティ美術館との新しい共同ブランド商品「古来の彩飾」を発表できたことを非常に喜ばしく思っています。この継続的なパートナーシップを通じて、私たちは共有の哲学を具現化し、すべての人々に素晴らしい個人表現のツールを提供できることを願っています。
ヴァン・ゴッホ本人の私生活は暗雲に包まれたものでした。
自身の耳を切ったという有名な話が示すように、彼は深刻な精神的病によって、フランス南部のサン=レミにあるセントポール病院への入院を余儀なくされました。 彼の健康は、病院の庭の植物、中でも後に代表作となるアイリスを描くことで回復し始めました。個々の花の緻密な描写を見てもわかる通り、綿密な自然観察はヴァン・ゴッホの芸術の土台となっていますが、それと同時に、驚くほど強い個人的な情熱も作品にもたらされています。押し寄せるような自然の生命力に対するヴァン・ゴッホの感覚は、感情に訴えるような強い色、厚く塗られた絵具、力強く飾り立てるリズムを見れば感じ取ることができるでしょう。
「有名なヴァン・ゴッホ作品を見るために、世界中から人々がゲッティ美術館を訪れます。この作品は人気が高く、ゲッティ・センターに到着して一番に向かう人が多いというのもうなずけます。このコラボレーションにより、『アイリス』はこの作品を知らなかった多くの人々の目にとまり、おそらくより深いゴッホ研究のきっかけとなり、より多くの人がロスアンジェルスのゲッティを訪れることになるでしょう」―トーマス・スチュアート(ゲッティ商品開発&店舗運営責任者)
新しいコラボレーション作品のコレクションに、ゲッティ美術館の重要な作品を加えることができて非常に嬉しく思っています。次にカルフォルニアに行く機会があったら、この美しく歴史的な施設をぜひ訪れてください。そして進行中のゲッティとの次のコラボレーション作品の発表を心待ちしていただけますと幸いです。
とても言葉では語れない驚異的な自然主義的イリュージョニズムを呈する「スピノラ家の時祷書」は、16世紀にフランドル語で書かれた視覚的に最も洗練されたものの一つです。ペーパーブランクスのユニークな点を真に反映した新しい古来の彩飾シリーズは、ジャーナルの表紙の美しさを高める繊細なディテールと調和のとれたデザインを体現しています。J・ポール・ゲッティ美術館と提携して、この豊かな彩飾ページとその美しいカリグラフィーを再現できることを嬉しく思います。
オリジナルの作品には、教会の祝祭日の日程、聖母の聖務(聖母マリアに捧げられた祈りの輪)、死者のための聖務などを含む祈りの言葉や讃美歌、読み物をまとめたものが含まれています。この表紙デザインでは、これらの他にも聖務日課やミサなどが記載され、より豪華な彩飾が施されています。この本は1700年代にはジェノアのスピノラ家が所有したゆえに、この現代名が付けられました。
J・ポール・ゲッティ美術館が所蔵するこの比類のない彩飾の例を、最新の共同コレクションとしてご紹介できることを光栄に思います。